1. 日本匠倶楽部 地の家ネット
  2. 地の家展示場
  3. 「お守り」の梁を使った家

地の家展示場


旧家屋に相通ずるよう、切妻の屋根と土庇を付けて現代和風のシンプルな外観としました。
玄関からリビングに続く前面部分の土庇は趣を与えるとともに夏の日差しを遮り、冬の陽光を取り込む役割があります。

構造階数木造2階建て
延床面積280.79㎡
建築コンセプト150年に渡り代々住み継がれてきたこの地に、2世帯住宅として建替えられた家です。地域の交流の場として人寄せも多いので、1階の和室は続き間をご希望されました。

そもそも若夫婦の住まいの建替えが発端であった新築計画。お話を進めていくうちに同居を踏まえ、歴史ある築100年以上の母家の建て替えへと話が進んでいきました。


<築100年以上経過した母家 大切に住まわれておりました>

何代にもわたって受け継いできたこの土地に「次の次の代まで受け継げる家にしたい」とお施主様の思い。
家族の歴史を見てきた材を次の家でも使えたらこの上ない幸せ。家を支え、家族を守ってきたお守りのような存在の梁をどこかで使いたい。ご先祖様の記憶、仏壇や神棚も今使っている物を丁寧にはずし、新居に使用しています。



解体前の既存宅には立派な柱や梁などもあったことから現場調査の段階で使う材を決め、慎重に運び出しました。



旧家の記憶を新しい家にどう埋め込むか。これらの材を活かせるように魅せ方や使い方を見極めていきました。
これまでの先祖への感謝の気持ちとこれからの見守りをお願する気持ちを込めて梁を丁寧に洗います。そして材と向き合います。




古材は「家」の一部になってからも呼吸し長い年月の中で自然に乾燥し強度を増していきます。施主の思いを酌んで、新居に合う加工に直してお守り梁を組み上げていきます。家族の憩いの場となるリビングダイニングはご先祖の懐に抱かれている空間です。


2F子世帯スペースとして母家の古材に負けない新たなクリ材の太鼓梁を使用。2Fスペースは構造が表しとなります。
玄関、キッチン、水回り共に上下階2か所ずつ配置しています。現代のニーズに合った2世帯住宅。現在は3世代のご家族で時を紡いでおります。

先代から大切に守られてきた仏壇は先祖への敬意と感謝を込めて、日々綺麗に磨かれ艶が増していました。これまでの思いを引き継ぎ、大工道具を駆使し補修と改良を加え現役続行です。


特徴的な幅4尺の仏壇も欄間、建具、全て解体前にはずし、もとからあった様に丁寧に納めていきました。
家紋の入った細かな書院の建具。現在同じものを造るとなると高額になりますが、こちらも大工の手により見事納めました。


建具や欄間も旧家の物を使用。


今回の建替えにより築100年超の旧家は2世帯住宅として現代の生活にフィットした新居となりました。
ご先祖様への感謝の気持ち、記憶、今を生きるご家族、そして住み継がれる子孫へと受け継がれていくことでしょう。


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