1階からのびる丸太は、弊社の家のシンボル的な静岡の天竜杉の80年生の丸太で、直径300ミリ。
毎年我々が山に出向き 立木の状態から選定しております。
お施主様には 上棟に備え、墨付けの段階で作業場に来ていただき、材を選んでもらっています。
丸太を気に入り、プランの段階から丸太の配置を気になされるお施主さんも少なくありません。
構造階数 | 木造2階建て |
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延床面積 | 106.35㎡ |
建築コンセプト | のびのびと子育てできるよう、空間をオープン化し、常に木に触れられるよう無垢の木を多用した家です。 |
いくつかモデルルーム等見学に行ってはいたが、まだ家づくりをあまり真剣に考えていなかった頃、奥様に誘われてモデルルームとは違う丸太柱のある家の見学会に行ったところ丸太柱が醸し出す空間や空気、心地よさにすっかり魅了されそれをきっかけに積極的に家づくりに取り組み始めたお施主様。
「あの丸太柱を我が家にも」「求めていた家族の触れ合いを重視した間取り」
木の形をそのまま活かし、なんとも言えない安心感があるこの丸太柱は家の構造を支え家族を見守る、まるで居てくれるだけで安心感を与えてくれる父親のような存在。太く芯のある丸太柱を頼もしい守護神的存在の「パパ柱」。パパ柱の隣には木目の美しい杉の6寸角柱。絶大な信頼のある影の司令塔的存在の「ママ柱」。玄関にはいるとすぐに見える家の中心に並んだ2本の柱は家族の成長を見守るパパ柱&ママ柱です。

これらの柱は工務店が静岡の天竜の山まで出向き80年以上の木を直接見て買い付けをするほどのこだわり。樹形よりも樹齢にこだわるのは木の持ちは樹齢に比例する為。
家への思い、両親への記憶、子供の成長、家族のつながりを永く住み継いでいくことでこの柱は見守ります。初めての家づくりはこのパパ柱、ママ柱の選択から始まります。
大工は設計図面をもとに手板を製作します。これは上棟時に必要な事項が書き示された大工用の図面で、大工用語で「図板」「手板」「番付表」と呼び方は色々あります。
手板は主に棟梁が整理するために完成まで使用します。図面では表すことのできない柱・梁 一本一本をどのように見せるか、手板を元に墨付けをし、この家の魅力を引き立たせる材一本一本に魂込め パパ柱やママ柱もここで命を吹き込まれ、刻みが行われます。
その昔、手板にはその時代に合った出来事、米やタバコの単価、その時代の世相を記して小屋裏に奉納していました。
≪2F子供部屋≫
現在子供部屋はセカンドリビングとして使用しています。将来2部屋にして使うことを想定し、パパ柱を挟んで入口を2ヶ所設けています。梁下に家具を置いて仕切ることが出来ます。
≪階段は子展スペース≫
リビングのパパの柱とママの柱を抜けるとプライベートスペースです。階段に設けたニッチにはお子さんの工作品を展示したり、階段手前入隅カウンターには庭の草花を生けます。このカウンターは独特な杢目が特徴のイタヤカエデ材。これに拭き漆を施し、他の木部とは色を変えることでカウンターに置くものがより映えるよう仕上げました。
拭き漆とは、【①下地→②中塗り→③拭き取り→④上塗り→⑤拭き取り】の②~⑤を3~5回繰り返します。漆を塗っては拭き取り、これを繰り返すことで艶を出す方法です。
材を選んだり、玄関の格子デザインを決めたり細かな打合せを重ね初めての家づくりの最後は、家族みんなで床オイルを塗って仕上げました。
オイルは 一番絞り「純正荏(え)油」がベースの 100%植物油。有害な化学物質や重金属などは一切使用していません。木の内部にじわりと浸透し、木の持つ自然な艶を引き出す天然原料、自然で安心・安全なフィニッシングオイルです。
元は建築費用の削減を目的として始めたセルフビルドですが、弊社では引渡し前の恒例行事となっています。この作業が完了し、やり遂げたという達成感や充足感が「自分たちの家が完成する」「喜び」「愛着」につながります。完成後もお子さんの成長にあわせて小学校入学時には学習デスクや本棚を製作するなど、気持ちよく住んでもらうためのサポートはこれからも続きます。子ども部屋の間仕切りをする時期もそう遠くはないと思います。
「つくる人にとっても住む人にとってもきもちのよい家」
「永遠に完成することのない物語」
パパ柱とママ柱が家族の時を見守ります。